やりなおしライフログ

塀の向こうも人生の一部だった。今を大切に生きる毎日。

逮捕されたその日、留置所への道のり

私は6人乗りの車に乗せられ、4人の警察官に囲まれての移動が始まりました。警察官のうち1人は女性で、他は男性。全員が比較的若く、意外にもピリピリした雰囲気はあまりありませんでした。

私は一番後ろの席に座り、隣には男性の警察官が付き添いました。車が動き出すと、それぞれが簡単に苗字だけ名乗って挨拶してきて、隣の警察官からは名刺を渡されました。

「これから俺が担当につくから、よろしくね」

そう言われたとき、緊張していた気持ちが少しほぐれた気がしました。

向かう先は、県をまたいだ警察署の留置所。車で6時間ほどかかると聞かされ、私は心の中で小さくため息をつきました。

移動中、警察官たちは時折雑談を交えながら、軽く私の状況を確認するような会話をしてきました。まるで車内で簡単な取り調べが始まっているような、そんな感覚。

途中で何度かトイレ休憩や昼食を挟みました。コンビニに立ち寄ったとき、警察官の一人が言いました。

「これからしばらく外のご飯は食べられなくなるから、好きなもの食べときなね。何がいい?」

思わぬ気遣いに、胸が少しざわついたのを覚えています。

トイレは立ち寄った警察署内で、女性警察官に付き添われて個室へ。運転手も途中で交代し、そこからはほぼノンストップで車は走り続けました。

そして、16時ごろ。目的の警察署に到着。裏口に車が止まると、数人の警察官がすでに待っていて、物々しい空気が一気に戻ってきました。

中に入ると、担当の警察官がこう言いました。

「今日は取り調べはしないから、手続き終わったらゆっくり休んでね」

そう言い残して去っていき、私はそのまま留置所内で荷物チェックとボディチェックを受けました。

留置所生活の詳しい流れについては、また別の記事でまとめようと思います。

この日はそのまま部屋に案内され、夕食を食べ、お風呂はなく、そのまま眠りにつきました。

こうして、私の「留置所での生活」が静かに始まったのでした。

 

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警察が家に来た日

こんにちは、ましろです。

前回は、私が関わってしまった特殊詐欺の一連の流れについてお話ししました。
「荷物を受け取って、渡すだけ」という単純な作業。それを数回繰り返したあと、「次はこういう仕事がある」と別のことにも誘われました。

正直、違和感はありました。
こんなに簡単にお金がもらえるなんて、おかしい。
自分がダメになっていく気がした――そう思って距離を置こうと決めたんです。

とはいえ、急に連絡を切るのも怖くて、「忙しい」「体調が悪い」と理由をつけて、少しずつ離れていこうとしました。

そんな中、「1回だけでいいから、海外から届く荷物を受け取ってほしい」と連絡がありました。
「報酬は多めに出す」と言われ、気がゆるんでしまい、私は承諾してしまいました。
「これで本当に最後にしよう」――そう思っていました。

荷物は段ボールで、大きくて数も多いらしい。
「車で取りに行くから、数日だけ家で預かっておいて」と言われました。

そしてその日、荷物が届きました。
でも、言われていた日になっても誰も取りに来ない。
数日経ち…そのまま家に置いていたんです。

そして――突然、家に10人近くの警察官が来ました。

「この段ボールの中身、知ってる?」と聞かれ、
「印刷に使うロールだと聞いています」と答えました。

「分かりました、段ボールを開けますね。一緒に中身を確認しましょう」

そう言って段ボールを開けた警察官は、中に詰まったロールを取り出しながら、隣の警察官に目配せしました。

そして言いました。

「……覚醒剤が入ってます」

――衝撃でした。
私は麻薬なんて無縁の世界で生きてきたし、テレビの中でしか見たことのないものでした。

でも、私の名前で受け取った荷物。私はすぐに警察にこれまでの経緯をすべて話し、協力することを決めました。

その日は段ボールをすべて警察が運び出し、家に泊まり込みで監視されるという、人生で一番緊張する夜を過ごしました。

翌日、犯人から連絡がきました。
警察と相談しながら対応を進めましたが、その後連絡は途絶えました。

事件のあと、警察に私の電話番号を登録してもらい、何かあったときはすぐに連絡できるようにしてもらいました。

…そうして、しばらくは平穏な日が続いたんです。
私も、「あの荷物がすべて覚醒剤だったんだ」と思い込んでいました。

でも、1ヶ月後――また警察が来ました。
今度は別の管轄、違う県の捜査でした。

「以前、複数回荷物を受け取っていましたよね?」
「最後の荷物は覚醒剤でしたが、それ以前の荷物の中身、覚えてますか?」
「実は……詐欺で騙し取られた現金なんです」

私は頭が真っ白になりました。

その日、スマホと銀行口座のカードが押収されました。

――数日後。
朝、また警察が来ました。

4人の警察官が家に来て、逮捕状を読み上げ、私は車に乗せられました。
車内で手錠をかけられ、警察署へ連行されました。

この日から私の人生が大きく変わっていったのでした。

 

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詐欺の内容


受け子の実態

前回の記事で少し触れた通り、私が関わっていたのは「特殊詐欺」の中でも「受け子」と呼ばれる役割でした。
今回は、どんなふうにその世界に関わるようになり、どのような仕事をしていたのか――実際の流れをお話ししたいと思います。

 

どうやって関わるようになるのか?

特殊詐欺グループに関わるきっかけは人それぞれです。
多いのは、SNSや掲示板での「高額バイト」への応募、知人からの紹介、もともと半グレや暴力団にいた、などです。
私の場合はSNSでした。軽い気持ちで「高収入」「即金」「在宅可」といった言葉に惹かれ、連絡をとってしまったのが始まりでした。

 

連絡手段は?

やりとりには、テレグラムやシグナルといった「消えるメッセージ」が使える無料アプリを使います。
通話・チャットが可能で、一定時間で履歴が自動で消える設定になっているのが特徴です。
アカウント登録に電話番号は必要ですが、プリペイドSIMや他人名義のスマホを使うよう指示されることもあります。

 

① 在宅での受け子(いわゆる“荷物受け”)

これは、自宅で荷物を受け取るだけのシンプルなスタイルでした。
実際の流れは、こんな感じです:

  • 「○日ごろに荷物が届くから、その日は家にいられる?」と事前に連絡が来る

  • 指定された日に、大手の運送会社から普通に荷物が届く(見た目はまったく普通の荷物)

  • 荷物は絶対に開けてはいけないと指示されている

  • 荷物を受け取ったら、5分以内に連絡をするように言われる

  • その後、自宅近くで待ち合わせ

  • 相手が来たら、荷物を手渡しして、その場で現金の報酬を受け取る

  • 終わったら「渡しました」と連絡して終了

一見、ただの荷物のやりとりのように見えますが、中身は詐欺でだまし取られた現金や通帳、カードである可能性が非常に高いです。私の場合は、後々警察官の方に中身は現金だよと伝えられました。

 

② 外出して行う受け子(“移動型”)

こちらは、外で動き回るスタイルの受け子です。
服装や持ち物も細かく指定されていました。

  • 服装:スーツかオフィスカジュアル

  • 持ち物:スマホ、マイク付きイヤホン、モバイルバッテリー、充電器

実際の流れはこうです:

  1. 日時と駅名が指定される → その周辺で待機(カフェなどにいればOK)

  2. あらかじめ「今日は何時まで動けるか?」と確認されている

  3. 指示が来なければ待機だけで終わることもある(※この場合も報酬あり)

  4. 指示が来たら、どの電車・バス・タクシーに乗るかまで詳細に指示される

  5. 目的地に着いたら、住所が送られてくる → 現場へ移動(この時点からイヤホンつけっぱなしで通話状態)

  6. 荷物を受け取る(もちろん中身は絶対に開けない)

  7. 帰りも移動手段を指示され、指定された場所へ

  8. 私の場合は「〇〇の宅配ボックスに入れて」と言われた

  9. その後、報酬の受け取り場所が連絡され、別の場所で現金を受け取って終了

 

私が実際に受けた仕事は「受け子」まででしたが、他にもこんな役割があると説明されたり、やらないかと誘われたこともありました。
ここからは、その中でも特に印象に残っている“勧誘”や“裏方”のような仕事について書いていきます。


■ 勧誘の仕事(“紹介屋”)

これは、「新しい受け子を見つけてきて仕事を紹介する」というもの。
出会い系サイトやマッチングアプリを使って、“軽い会話”から相手に近づく手口を教えられました。

たとえば:

  • 「副業に興味ある?」

  • 「簡単に稼げるバイトがあるけど、聞いてみる?」

こんなふうに、相手に怪しまれない言い回しで誘うように指示されるそうです。
私は断りましたが、「これだけで紹介料が入る」としつこく言われました。


■ SIMカードの購入代行

これは、ネットで大量のプリペイドSIMカードを買って送ってほしいという依頼でした。
「本人確認が必要だから、人手がいる」と言っていましたが、実際には**“とばし”の端末(犯罪に使うスマホ)に使うため**だったと思います。

1人で何十枚も買うと怪しまれるので、複数の人に分けて購入を頼むような指示もあったようです。


■ 中古スマホの購入

中古スマホショップやフリマアプリなどでスマホを買って、グループに渡す仕事です。

とにかく「安くてSIMフリーのものをできるだけ多く」「本人確認がいらない方法で」と言われました。


■ 在宅確認の依頼

これは少し変わった仕事でしたが、指示役の人から聞かされた「愚痴」のような話の中に出てきました。

ある受け子が、荷物を受け取ったあとにそのまま持ち逃げして連絡が取れなくなったそうで、
「家にいるかどうかだけ、見に行ってくれない?」と頼まれました。

内容はただ「ノックして反応あるか見るだけ」「中には入らなくていい」とのことでしたが、
人の家を監視するようなことに加担させられそうになったと感じ、すごく怖かったのを覚えています。

 

私に関わってきた“役職”の人たち

  • 管理役
     最初に関わってきた人間。指示役や受け子を管理してた立場。

  • 指示役
     外で受け子をしたときに連絡していた人たち。数人いた。多分、地域ごとに持ち場があるのかもしれない。

  • 回収係
     受け子から荷物を受け取って、報酬を渡す役割の人。

  • その他
     直接的な関わりはないけど、管理役からの話を聞いた感じでは、その上にもトップがいるのだろうなと思った。
     また、出会い系での勧誘は女性がやってるとも聞いた。
     かけ子なども含めると、比較的大きなグループだったのかもしれない。
     これも、取り調べのときに警察官と話して見えてきた実態です。

以上、今回は私が関わってきた特殊詐欺グループの仕事や、その実態についてお話ししました。

ほんの「お手伝い」のつもりで関わったつもりが、気づけば犯罪の一部になっていた――
知らなかったでは済まされない現実を、私自身が一番痛感しています。

次回は、この流れの中でどのようにして逮捕されたのか、そしてそこから始まった現実と向き合う日々について書いていこうと思います。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

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「ただ渡すだけ」のはずだった。少しずつ深まる“やり取り”

こんにちは、ましろです。

前回は、最初のやり取り――「ただ荷物を受け取って、家の近くまで来た人に渡すだけ」の仕事について書きました。

その後、同じようなやり取りが三回ほど続きました。届いた荷物は、紙袋が二回、段ボールが一回。段ボールのときは海外からの荷物でした。
報酬はすべて三万円。前回よりも一万円多くて、「え、またこれだけで……?」と、正直驚きました。

やり取りの方法は変わらず、すべてテレグラム。
私はただ荷物を自宅で受け取り、指定された時間に、家の近くまで来た人に渡すだけ。
そしてこの仕事には、最初から一つだけ“ルール”がありました。

「荷物の中身は絶対に見ないこと。」

私はその約束を守り、中身を一度も確認せず、ただただ受け渡しを続けていたのです。

そんなある日、相手からこんな提案を受けました。

「他の仕事もやってみませんか?」

いくつか候補がありましたが、詳しくはまた次回に書きますね。
その中の一つに、私は心が揺れました。

それは――
外で荷物を受け取り、その荷物を別の人に渡すという仕事。
報酬はなんと、五万円。

「やることはほとんど変わらないし、五万円ももらえるなら…」
私はその仕事を引き受けることにしました。

その後、数回同じような「外での受け取り」をしましたが、
実際に荷物を受け取れたのは一回だけ。

その一回には、約束通り五万円。
ほかのときも、交通費として一万円を手渡しでもらいました。

 

……と、ここまでが「ただ荷物の受け渡しの頃」の話です。

そして私は、この外でのやり取りを続けるうちに、いくつもの違和感を感じるようになりました。
「何かが変だ」――そんな気持ちが膨らんでいき、これ以上はやめた方がいいと、自分の中で思い始めました。

けれど、あるやり取りの中で「やめたい」とはっきり伝えるのが怖くて、言えませんでした。

次回は、実際に私がどんな仕事をしていたのかを、内容ごとに整理して書いてみようと思います。



そして、「なぜやめたいと言えなかったのか」――そのときの心の動きについても、少し書けたらと思っています。

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SNSで見つけた“在宅ワーク”

こんにちは、ましろです。

今日は、私が事件へと足を踏み入れてしまった話をします。

前回も少し触れましたが、当時の私は、本当に追い詰められていました。
「もう後がない」「これしかない」――そんなふうに思い込んでいた時期です。

そんなとき、SNSでたまたま目に入った求人投稿がありました。
内容はこう書かれていました。

「在宅でできるお仕事、日払い、主婦歓迎、荷物受け取り」

給料は1回で2~3万円。
私は迷うことなく、思わずメッセージを送りました。

やり取りはSNSのDMから始まり、すぐにこう言われました。
「テレグラムのアプリをダウンロードしてください」

言われた通りにアプリをインストールすると、すぐに通話がかかってきました。
電話の向こうには、30~40代くらいの男性の声。
人がよさそうな、落ち着いた話し方で、怖い印象はまったくありませんでした。

「この仕事は、自宅にヤマト便で荷物が届きます。
受け取ったら、すぐにテレグラムで連絡してください。
そのあと、家の近くまでこちらが荷物を取りに行きます。
その時にお給料をお渡ししますね」

聞いた内容は、それだけでした。
とても簡単で、誰にでもできそうな仕事。

「荷物の中身は、ブランド品とかです」
そう説明された私は、「とりあえずやってみよう」――そんな軽い気持ちで、その仕事を始めました。

説明が終わったあと、こうも言われました。
「住所確認のため、身分証の写真を送ってください」

何の疑いもなく、私は自分の身分証を撮って、送ってしまいました。

 

荷物の受け取り日時を決めて、やり取りはいったん終了。
そして、迎えた当日――

指定された時間通りに、小さな段ボール箱がヤマト便で届きました。
私は荷物を受け取り、すぐにテレグラムで「届きました」と連絡。

しばらくして「では、今からそちらに向かいます」とメッセージが届き、家の近くの指定された場所へ向かいました。

そこに現れたのは、30代くらいの男性。
細身で、おとなしそうな、少し気が弱そうな雰囲気の人でした。

私は段ボールを手渡し、彼は軽くお辞儀してこう言いました。
「ありがとうございました」

封筒を渡され、中には2万円が入っていました。
何事もなく、彼はそのまま立ち去っていきました。

 

「これだけで、こんなにすぐお金が手元に入るなんて…」

すごく助かる。
ただ、それだけでした。

そのときの私は、それ以上深く考えることもなく、
「また同じような仕事があればいいな」――と、さえ思っていたのです。

でも――
あの瞬間から、私は確実に、事件の渦に足を踏み入れていたのです。

 

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なぜ私は罪を犯したのか

こんにちは、ましろです。

前回は、闇金の問題をどうにか解決して、ようやく実家に戻ってこられたところまでお話ししました。
「これでやっと落ち着ける」――そう思っていました。けれど、本当の意味での「解決」には、まだ程遠かったのです。

毎日の子育てに追われる日々。自分の時間なんてまったくなくて、気づけばずっと気を張ってばかり。
しかも、ちょうどその頃はコロナが流行りはじめて、外に出ることも、誰かに頼ることも簡単じゃなくなっていました。

そんな中、夫のカードの支払いや、勝手に車を買われたことで、車関係の出費も増え、家計はさらに苦しくなっていきました。
私もパートには出ていましたが、コロナ禍やコロナ前後には子どもの体調不良でたびたび仕事を休まざるを得ず、収入は安定しませんでした。
それでも支払いが滞れば、夫からはぐちぐち責められる。
実家に暮らしてはいたけれど、光熱費などは甘えるわけにはいかず、払えなければ今度は両親からも文句を言われて――私はいつも板挟みの状態でした。

夫に対しても、相変わらず強く言えないままでした。
私がいくら働いても、浮いたお金は全部夫のもので、支払いも多く、残るものは何もなかった。
「家族だから支え合うのが当たり前」と思い込んでいたけど、今思えば、私はただ都合よく使われていただけだったのかもしれません。

そんな中、なかなかパートに行けない私は、「在宅でできる仕事があれば」と考えるようになりました。
求人サイトで探してみるものの、どれも自分にはハードルが高く感じて、応募する勇気も出ませんでした。
そんなとき、SNSでたまたま見かけた“在宅でできるお仕事”――それが、すべての始まりでした。

次回は、私が巻き込まれてしまった「特殊詐欺」の具体的な話をお話しします。

 

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少しの立ち直り


こんにちは、ましろです。

前回は、お金に困って闇金に手を出してしまった話を書きました。
今回は、そのあと――どうやって少しずつ立て直していったかをお話しします。

取り立てが始まってからというもの、毎日が不安で押しつぶされそうで、心が休まる瞬間なんて一つもなかった。
そんなとき、母から「もう実家に戻ってきなさい」と言われたんです。

その一言がきっかけで、家族で私の実家へ引っ越すことに。
家賃がかからないというだけでも、心に少し余裕が生まれた気がしました。
「ここからまたやり直せるかもしれない」――そんな希望が、ようやく見えてきたんです。

弁護士は、自分でスマホを使って探しました。
「闇金に強そうなところ」とにかくそこだけを頼りに、すぐ電話しました。
もう、怖い思いをこれ以上重ねたくなかったんだと思います。

そして、弁護士の口から出た言葉――
「違法な業者への借金は、返さなくていいんですよ」
その瞬間、全身の力がふっと抜けるような感覚に包まれました。

でも、すべてがすぐに解決したわけじゃありません。
取り立ての電話はしばらく止まらず、何度も何度も同じ番号から着信がありました。
怖くて電話にも出られず、スマホを見るのさえ嫌になってしまったんです。

それでも、「払う必要はない」ときっぱり言ってくれる人がいる――
それだけで、私は何とか踏ん張ることができました。
「終わらせたい」って、ようやく心から思えるようになったんです。

取り立てのせいで、母にも父にも、そして夫にもすべてがバレてしまいました。
心配をかけたし、たくさん迷惑もかけた。
情けなくて、申し訳なくて、本当に苦しかったけれど、もう隠し通すことはできませんでした。

もし、今これを読んでいる誰かが、同じように一人で苦しんでいるのだとしたら――
どうか、自分だけで抱え込まないでください。

弁護士に相談するだけでも、少しずつ状況は変わっていきます。

 

闇金とのやりとりの詳細は、また別の機会にお話ししたいと思います。
そして――この問題がいったん落ち着いたのに、どうして私は特殊詐欺に巻き込まれていったのか。
それは、次回にお話しさせてください。

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